本文へスキップ

トレーディング研究所は金融商品のトレーディング研究を専門とする研究所です

http://www.tradingrdc.com/

トレーディング心得Understanding before trading

肝に銘じておくこと

ここでは、トレーディングを始める前に肝に銘じておくことを書きたいと思います。これはとても重要で、トレーディングを考えている人はぜひ最初に読んで頂きたい内容です。トレーディングは、難しいけれどシンプルなものです。しかし、簡単なものではありません。欲張ると損をします。トレーディングが成功している状態というのは、あらかじめ決められたトレーディングルールに従い、トレーディングを実行している状態をいいます。トレーディングに特別な素養は必要ありません。ただ、努力することをいとわないことが必要です。よく儲かる株は何ですかという問いを聞くことがありますが、トレーディングの本質を理解しようと考えている方は、このような考えを持ってはいけません。自分で努力して、トレーディングの対象を決定し、トレーディングを行う必要があるからです。他人の情報でトレーディングすることをやってはいけません。金融の世界では全てが自己責任です。どのようなことであってもです。たとえば、倒産した会社の株式を保有していて、いきなり株価が0 円となったとしてもです。その株式を持っている時に、十分なリスク管理やポジションのコントロールをしていたかを自分自身に問う必要があります。そして、それを次のトレーディングに生かす必要があります。他人に責任を押しつけても失った資金は戻ってきません。トレーディングを始める前に、自分自身に全てが自己責任であることを改めて問うて下さい。そして、少しでも納得がいかないならばトレーディングの世界には向きません。ご自身の資産を守るためにトレーディングを行わないことを強くお勧めします。

どれだけの人が生き残れるか

トレーディングを行い生き残れる人は、全体の10% 以下といわれています。トレーディングは、ゼロサムゲームです。誰かのお金を別の誰かが奪っていきます。正しいトレーディング技術を持たないままマーケットに参加しても身ぐるみ剥がされるだけです。まず、トレーディングの事を勉強して下さい。トレーディングの勉強には時間がかかります。決して欲を出していきなり大きな資金を投入してはいけません。生き残れる確率が低下するだけです。少ない勉強代で、教育期間をやり過ごさなければなりません。決して焦ってはいけません。トレーディングを理解するまで、焦らずじっと耐えることがトレーディングを始める時にもっとも難しい事であると思います。

マーケットへの勉強代の支払い

私は、時々次のような表現をします。「あなたは、トレーディングをする時にマーケットにいくら勉強代を払えますか?。100万円の利益を得るより先に1000万円の勉強代をマーケットに支払う覚悟はありますか?、と」。この覚悟をあらかじめできるかどうかはとても重要なことです。答えが「No」の方は、ご自身の資産を守るためにトレーディングを行わないことを強くお勧めします。マーケットが良い時に利益を得ることは楽ですが、悪い時にどれだけ資産を減らさずにいられるかは、とても重要な事です。もし、あなたが利益を得ている人の話を聞く場合、10年間の成績を聞いてみて下さい。長ければ長いほど良いです。決して短期的な成績で判断してはなりません。トレーディングは、長期的な視点で考えるべきで、短期的な成績がいくら良くても意味がないのです。大物トレーダーの方もトレーディングを始めた頃、大きな損失を被っていることをご自身が語っています。先人の話に真摯に耳を傾け、理解することからトレーディングを始める必要があります。マーケットはいつもそこにあります。焦らなくてもいつでも参加が可能です。トレーディングの教育にはコストがかかります。焦らずじっくりと準備を整え、トレーディングに望むべきなのです。

デイトレードかスイングトレードか

最初にはっきりとお伝えします。私は、スイングトレードである一定以上の利益が出ない方は、デイトレードをお勧めしません。それぐらいデイトレードは難しいのです。デイトレードでは、一日値幅の半分をとれれば優秀なトレーダーといわれています。しかし、マーケットが悪い時は値幅が小さく、利益を得る事は難しくなります。執行コストのみが重くのしかかってきます。まず、小さなポジションのスイングトレードでトレーディングに慣れ、利益が得られるようになってからデイトレードをしたい方はすれば良いと思います。デイトレードという言葉は、響きが格好良く、憧れて始める人もいますが、決してお勧めはできません。デイトレードをいきなり開始することは、野球をやったことがない人がメジャーリーグでプロチームと対戦するようなものです。勝てる手段を持たない状態で戦うことは無謀です。

トレーディングをいつから始めるか

時々定年退職をしてからトレーディングを開始し退職金を失った人の話を聞くことがあります。トレーディングを始める年齢は社会人になってから早い方が良いと考えています。始める時は小さな資金で開始することです。若い時なら、損失を被ってもリカバーができるからです。トレーディングの本質を理解するまでには、長い教育期間を要するということを肝に銘じて下さい。専業で毎日16時間やっても最低3年で何とか形が見えてくる程度です。サラリーマンをしながらトレーディングをするとなると、最低 10 年以上の年月が必要となります。もっともやってはいけないことは、定年退職後、退職金の多くを投資につぎ込み、大きな損失を被り、老後の生活に大きな影響を与えるようなトレーディングをすることです。人間は、必ず老います。老化により心身とも老いますので、思考力、忍耐力、体力、精神力とも低下していきます。トレーディングは、これらを酷使します。定年退職後から始めると、教育期間が終了する前に、身体的にも資金的にもトレーディングができない状態になっている可能性があります。もうその時には、リカバーできない状態になっているのです。

ファンダメンタルトレーディングとテクニカルトレーディング

ファンダメンタルトレーディングは、投資する会社の業績を調査し長期保有を前提に投資するトレーディング方法です。テクニカルトレーディングは、会社業績やニュースの情報をシャットアウトし、チャート情報だけを頼りにトレーディングする方法です。私がなぜテクニカルトレーディングを研究しているかといいますと、ファンダメンタルトレーディングは個人にとって非常に難しいものであると感じているからです。個人の情報収集能力は、大手の金融会社に太刀打ちできません。しかしチャート情報は、個人であっても大手であっても同じ情報を見ています。また、個人的には理系の人間であり、ITや情報の統計処理に長年の蓄積を持っていますので、扱いやすいということもあげられます。トレーディングによる運用益を得ることの本質は、価格変動をどのようにつかむかという一点に集約されます。ファンダメンタルもテクニカルもどちらも価格変動をつかむための一つの手段でしかありません。極論すれば、サイコロを振って奇数がでればLong、偶数がでれば Short するということでも、一つの手段として確立されているものならばそれでも良いのです。要は、自分にとって価格変動をとらえる方法は何かということです。最近では、ファンダメンタルとテクニカルと両方を組み合わせてトレーディングする事も一般的です。個人でそれを実行する場合は、テクニカルで銘柄をスクリーニングし、抽出された銘柄に対して、ファンダメンタル的に会社の業績に問題ないかを確認してからポジションをとる方法です。テクニカルを使った後で銘柄抽出するため、ファンダメンタルの情報を確認する対象が少なく、銘柄選定の負荷が少なくてすみます。個人トレーダーは、個人トレーダーに適した方法でトレーディングすることが大切です。なお、テクニカルとファンダメンタルを併せて利用する場合は、タイムフレームを一致させる必要があります。短期売買の為にファンダメンタルを利用しても大きな意味を持つことはありません。

資金管理、心理コントロール、セットアップについて

資金管理、心理コントロール、セットアップの三つがトレーディングをする上での三大要素です。では、この三つの優先順位はどうでしょうか。私は、「資金管理→心理コントロール→セットアップ」の順であると考えています。資金管理を確実にするということは、ポジションをとる前にリスクを明確にしているということであり、ロスカットをしても、事前に決まった金額でロスカットを行うため、心理的には平穏でいられます。だからトレーディングが安定するのです。資金管理を無視したトレーディングを行うと、負けているポジションに対してナンピンをし続けて、最後には大きなロスを被り退場になるケースもあるのです。資金管理は、心理コントロールをする上で大切な要素です。これを怠ると損失だけでなくトレーディングそのものに対して、前向きになれずポジションをとるべき時にポジションをとらず、トレーディングそのものが破綻することもあるのです。資金管理により心理コントロールを行い、その上で統計的に有利なセットアップでポジションをとるとお考え下さい。

トレーディングは、仮装売買から始める

まず、実践トレードを開始する前に自分が納得するまで仮想売買をしましょう。これを怠ると無駄なお金を失うことになります。そして重要なことは、仮想売買を真剣に行うことです。お金が実際にかからないので難しいことなのですが、納得するまで実際のお金を使ってはいけません。マーケットは、いつもそこにあるのですから。そして、仮想売買から場帳をつける習慣をつけましょう。これも大変なことです。この二つを納得のいくまですることです。

自動売買の本質

よく自動売買という言葉を聞きます。自動売買とはどのようなものなのでしょうか。逆指値注文を使う事を自動売買というものからトレードステーションで完全自動化し、人間による介入なしに自動売買を行うものまであります。ここで忘れてはならないのは、自動化することが利益に直結することではないということです。あくまで自動化されたシステムはトレーディングの為のインフラであり、利益を生むシステムではないからです。大切なことは、過去のデータで裏付けされた利益を得る可能性を持ったシステムです。また、スリッページや注文手数料の考慮を忘れてはなりません。システムを作っているとそれらを含まないと利益になるが、含めるとマイナスになってしまう事によく遭遇します。本当に重要なことは、それらのこともきちっとクリアし、自分で納得のいくシステムであることです。自動売買の難しさは、自動売買できるインフラを作った後から発生します。それまでは、ただの手続きに過ぎません。ここを間違うとこんなはずではなかったということになります。自動売買を手がける前に、今一度この本質を再確認してから気構えを持って手がけることをお勧めします。システムトレーディングの構築は、大変な作業であることをここに申し上げておきます。

ロスカットについて

ロスカットをどのように設定するかは、トレーディングで重要なことです。ロスカットは、どのように設定するものなのでしょうか。使用するセットアップでリスク・リワード比率が 1:3 以上で勝率が 30% 以上の銘柄を探します。そのリスク部分がロスカット幅になります。リスク・リワード比率が悪くても勝率が良ければ問題ありません。ようは、リスク・リワード比率と勝率の組み合わせがトータルでプラスになるセットアップであれば良いということです。例えば、リスク・リワード比率が 1:1.5 で勝率が 60% の場合、

1.5 * 0.6 - 1 * 0.4 = 0.9 - 0.4 = 0.5

となり、一トレードあたりの利益はリスク金額の 0.5 倍となります。このような利益が見込まれる組み合わせをバックテストで探して、セットアップルールを決定し、条件に合う銘柄が「セットアップにはまる」ということなります。ここで重要なことは、ロスカットはエントリーしてからどこにしようかと決めるものではなく、エントリーする前に決まっているものだということです。確実にロスカット価格に来た場合にロスカットをすることで、決まった損失金額で脱出することです。ここで心理的な不安要因を少しでも減らし、ロスカットの遅れをなくすために OCO Order を使用します。良さそうなエントリーポイントに銘柄が来ていても、リスク・リワード比率が悪ければエントリーしてはなりません。この見送りという行為は大変難しいです。特にエントリーしたくてしょうがなく、気持ちがはやっている時はなおさらです。他人の儲かっている話を聞くと、この点がおろそかになりますので、心理的なバイアスを防ぐためにも、他人の勝ち負けや儲け話を聞いてはいけません。他人が儲けようが儲けまいが自分には関係ないことなのですから。どうか、自分の売買ルールを確立し、他人に左右されない自分自身の売買方法を身につけて下さい。そうすることが、長期的な本当の意味での資産形成につながります。正しい資産形成に魔法やカッコイイ方法などは全く不要であることを断言しておきます。この方法を実行し続けることは、本当に難しいことです。心理面で充実していないと続けることは出来ません。トレーディングは、心身共に健康でないと長続きしないものであることを覚えておいて下さい。補足としてリスク・リワード比率が 3:1 というリスクが大きい場合を考えてみます。この場合は、勝率が何パーセントあれば利益になるのでしょうか。勝率を W % と仮定し計算してみます。

1 * W/100 - 3 * (1 - W/100) > 0

この式を解くと「W = 75 %」となります。75% 以上で利益が出ますが実際には、スリッページと手数料を考慮すると 80% 以上は必要になります。これはかなり大変です。バックテストできちっとデータを取り理解の上リスクをとって実行するなら良いのですが、そのような事をせず、安易に利益の 3 倍をリスクにとる行為は危険です。必ず自分でその部分をクリアにしてからトレーディングに望んで下さい。

デイトレードかスイングトレードか (Part-2)

先に「デイトレードかスイングトレードか」の題目でコラムを書いた。今日は、それに関する執行コストについて書いていきたいと思う。デイトレードにおいて、手数料とスリッページを含めた執行コストは、長年トレードすると利益に対する執行コストの割合が大きいことに気づく。理論的にもそれは計算できるが、経験上利益の半分が執行コストによって食いつぶされることになる。デイトレードを行っていくと、勝っているわりに利益が増えていかないことに気づくはずである。時には、利益の全てはそれによってなくなり、手元に利益が残らないこともある。毎日終日マーケットに張り付いて目を血眼にしてこれである。自分でも何をやっているのか分からなくなってくる。これでは証券会社の為に働いているようなものである。ここでよく考えてほしい。リスクリワード比率の計算時、タイムフレームが大きくなればなるほどそれらの値幅が大きくなるため、スリッページは全体の利益に対して小さくなる。また、購入株式金額による従量制の手数料ならポジションサイズが小さくなるため手数料は少なくなる。スイングトレードでは、経験上利益に対する執行コストの割合は 5〜10% に収まる。この差は大きい。デイトレードをしている人で利益がなかなか上がっていない人はこの点について振り返ってみてほしい。いくら勝率が高くても、リスクリワード比率が不利なトレードには意味が無く、トレード回数が多くなればなるほど良いトレード数が減り、利益は執行コストで失われていく。デイトレードの本質はこのようなもので、デイトレードで利益を出すためには、本当に高度な知識と経験に裏打ちされたトレーダーのみが勝てる超上級のトレード方法なのである。世の中にはデイトレードをして執行回数が増えれば増えるほど利益が上がるような文章を見かけるが、きっちりと理論立てて計算すれば、デイトレードで勝てる人は本当にプロ級であることが分かるはずである。まずは、長いタイムフレームで小さいポジションサイズから始め、正しい知識を体得してからデイトレードを行っても遅くはない。トレードは、利益を得るために行うものであって、売買回数を競ったりかっこよいトレードをする為のものではないからである。トレードの本質は、つまらないトレードであればあるほど良いトレードである。この事を理解するためには、非常に長い年月を要すると付け加えておく。デイトレードでは、良いリスクリワード比率のトレードを探すことは大変だが、スイングトレードでは、オーバーナイトするためにそれは比較的見つけやすい。タイムフレームが大きくなればなるほどトレード日数が長くなるので、利息がかからない現物株での取引が好ましい。また、逆指し値のロスカット注文をセットしておけば、マーケットのオープン中価格を見る必要もない。サラリーマンの方であれば、仕事に集中できるというものだ。デイトレードで利益が上がっていない人は、小さいポジションサイズでのスイングトレードをして良いトレードの感覚をつかむことから始められることをお勧めする。トレードとは、利益を求めれば求めるほど利益を逃し、利益を求めなければ求めないほど利益を得られるものなのである。謙虚さが一番なのだ。